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時計用語集

振り角やベゼルからトゥールビヨン、vphまで、79の時計用語をやさしい言葉で解説。スペック表を読むにも、コレクターと語り合うにも役立つ用語集です。

このガイドの内容
  1. A–B
  2. C–D
  3. E–G
  4. H–L
  5. M–O
  6. P–R
  7. S–T
  8. U–Z
  9. 時計を作りながら言葉を覚える
  10. よくある質問

時計好きには、独特の語彙があります。スペック表には「vph」や「石数」、コレクターの会話には「グレイル」「夜光」「ハック」。この用語集では、とくによく使われる79の用語を、やさしい言葉で解説します。各用語には英語の原語を添え、英語のアルファベット順に並べています。より詳しいガイドがある項目には、リンクを張っています。

まったくの初心者なら、まず時計の各部名称と機械式時計の仕組みから始めて、そのあと辞書代わりにここへ戻ってきてください。

A–B

振り角(Amplitude)
テンプが1回の振動でどれだけ振れるかを、角度で表したもの。健康な時計なら、たいてい200°を大きく超えます。振り角が小さいときは、巻き上げ不足か、オーバーホールが必要なサインかもしれません。
アプライドインデックス(Applied indices)
印刷ではなく、別体の金属パーツとして作り、小さな足で文字盤に固定したインデックス。「植字」とも呼ばれます。光を捉え、立体感を生みます。
自動巻き(Automatic)
腕の動きで回るローターを使って、ひとりでに巻き上がる機械式ムーブメント。オートマチック、セルフワインディングとも。自動巻きと手巻きの違いを参照。
テンプ(Balance wheel)
一定の周期で往復する、錘のついた輪。機械式時計の精度をつかさどる心臓部です。
ヒゲゼンマイ(Balance spring / hairspring)
テンプに取り付けられた細い渦巻きバネ。テンプを規則正しい周期で振動させます。
香箱(Barrel)
ゼンマイを収めるドラム。ゼンマイがほどけるにつれて、その歯が輪列を動かします。
振動数(Beat rate)
テンプが1時間に何回刻むかを、vphやbphで表したもの。28,800 vphは、毎秒8振動にあたります。振動数の解説を参照。
ベゼル(Bezel)
風防を囲むリング。装飾的なもの(ポリッシュ、フルーテッド、ジェムセット)と、機能的なもの(回転式のダイバーズ目盛りやGMT目盛り)があります。
ブルースチール(Blued steel)
約290℃に熱して、薄い酸化膜で深い青色に変えた鋼。「青焼き」とも呼ばれます。針やネジの古典的な仕上げです。
bph
beats per hour(毎時ビート数)。vphの別の書き方です。
ブレゲ針(Breguet hands)
先端近くに中抜きの円(「月」)をあしらった針。アブラアン-ルイ・ブレゲにちなんだ名前です。針の種類を参照。
受け(Bridge)
ネジで留められ、ムーブメントの歯車を1つまたは複数支える金属の板。ブリッジとも。

C–D

キャリバー(Calibre / caliber)
特定のムーブメントの設計。たいてい番号で識別されます。
カリフォルニアダイヤル(California dial)
上半分にローマ数字、下半分にアラビア数字を配した文字盤。インデックスと数字を参照。
裏蓋(Caseback)
ケースの裏側のカバー。シースルーバックは、ムーブメントが見えるように風防をはめ込んだ裏蓋です。
クロノグラフ(Chronograph)
ストップウォッチ機能を内蔵した時計。プッシャーでスタートとストップを行います。
クロノメーター(Chronometer)
公的な機関によって、ムーブメントの精度が検査・認定された時計。
コンプリケーション(Complication)
時・分・秒以外の機能のすべて。日付、ムーンフェイズ、GMTなど。コンプリケーションを参照。
リューズ(Crown)
ケースの側面にあるつまみ。ゼンマイを巻き上げ、時刻を合わせるのに使います。竜頭とも書きます。
風防(Crystal)
文字盤を覆う透明なカバー。サファイア、ミネラルガラス、アクリルがあります。
クッションケース(Cushion case)
角を柔らかく丸めた四角いケース。1930年代から人気があります。ケース形状を参照。
ドーフィン針(Dauphine hands)
先細りで、中央に稜線のある面取りを施した針。どちらかの面が必ず光を捉えます。
デイデイト(Day-date)
曜日と日付の両方を表示するコンプリケーション。
ひと刻み(Detent)
巻き上げるときにリューズのコハゼが鳴らす、カチッという1回ぶん。
文字盤(Dial)
インデックスや文字を載せた、時計の顔。ダイヤルとも。
ダイバーズベゼル(Dive bezel)
潜水時間を計るための、一方向にしか回らないベゼル。ぶつけても表示される残り時間が短くなるだけで、長くなることはありません。

E–G

エナメル文字盤(Enamel dial)
ガラスの粉を載せ、窯で焼き上げた文字盤。グラン・フー・エナメルは800℃以上で焼成します。文字盤の仕上げを参照。
脱進機(Escapement)
輪列を1刻みずつ解放し、テンプが振れるたびに一押しを与える機構(ガンギ車とアンクル)。
フィールドウォッチ(Field watch)
シンプルで読みやすく、頑丈なスタイル。第一次世界大戦の塹壕で使われた時計の流れをくみます。
フルーテッドベゼル(Fluted bezel)
周囲に細かな刻みを入れたベゼル。時計が動くたびにきらめきます。
フュメ文字盤(Fumé dial)
外周へ向かって暗くなっていく、「燻した」ような文字盤。スモークダイヤルとも。
パッキン(Gasket)
水やホコリがケースに入るのを防ぐゴム製のシール。ガスケットとも。
輪列(Gear train)
香箱から脱進機へエネルギーを運ぶ、一連の歯車。
ジェムセット(Gem-set)
宝石をあしらったもの。石はひとつずつ石座に収め、小さな金属の粒で留めます。
GMT
24時間針で第2のタイムゾーンを表示するコンプリケーション。GMTウォッチを参照。
グレイル(Grail)
コレクターにとっての究極の夢の時計。憧れの1本。グレイルウォッチとはを参照。
ギョーシェ(Guilloché)
ローズエンジン旋盤で、繰り返し模様を彫り込んだ文字盤。

H–L

ハック機能(Hacking seconds)
リューズを引き出すと秒針が止まり、時刻を正確に合わせられる機能。秒針停止機能とも。機械式時計の時刻の合わせ方を参照。
手巻き(Hand-wound / manual)
リューズを回して巻き上げる機械式ムーブメント。時計の巻き方を参照。
インデックス(Indices)
文字盤の上の時の目印。バトン、数字、ドットなど。
石(Jewels)
ホゾの軸受けとして使われる、摩擦の少ない人工ルビー。一般的なムーブメントは17〜25石です。
ラグ(Lug)
ストラップを取り付ける、ケースの「角」。
ラグ幅(Lug width)
ラグの間の幅。ストラップの幅を決めます。18、20、22mmが多く使われます。
ラグ・トゥ・ラグ(Lug-to-lug)
上側のラグの先端から、下側のラグの先端までの長さ。時計のフィット感を左右する重要な寸法です。
夜光(Lume)
針やインデックスに塗られ、暗闇で光る蓄光塗料。英語圏のコレクターは「ルーム」と呼びます。

M–O

ゼンマイ(Mainspring)
渦巻き状の金属の帯。巻くとエネルギーを蓄え、ゆっくり解放しながら時計を動かします。主ゼンマイとも。
マニュファクチュール(Manufacture)
ムーブメントを自社で設計・製造する時計メーカー。
ベンツ針(Mercedes hand)
先端近くに三つ又の円をあしらった時針。ダイバーズによく見られます。海外では「メルセデスハンド」と呼ばれます。
マイクロブランド(Microbrand)
小規模な独立系の時計ブランド。オンラインで直接販売することが多い業態です。
ミラネーゼブレス(Milanese strap)
細いスチールのメッシュを編んだブレスレット。
ミニッツトラック(Minute track)
文字盤の外周を囲む分目盛り。レイルウェイトラックは、線路のように見えるタイプです。
ムーンフェイズ(Moon phase)
現在の月の満ち欠けを表示するコンプリケーション。ムーンフェイズを参照。
マザーオブパール(Mother of pearl)
虹色に輝く貝殻の内側の層。薄く切り出して文字盤に使います。
ムーブメント(Movement)
針を動かす内部の機構。
オクタゴンケース(Octagon case)
八角形のケース。すべての面を隣の面とぴったり合わせなければならないため、仕上げが難しい形です。

P–R

アンクル(Pallet fork)
脱進機の中で、ガンギ車を止めては解放するレバー。
パイロットウォッチ(Pilot watch)
大きなリューズ、力強い数字、高い視認性を備えたスタイル。航空の黎明期に生まれました。
プロンジュール(Plongeur)
フランス語で「ダイバー」。分針を特大にしたスタイルです。
パワーリザーブ(Power reserve)
フルに巻き上げた時計が、止まるまでに動き続ける時間。残量を表示するコンプリケーションのことも指します。パワーリザーブの解説を参照。
PVD
物理蒸着(physical vapour deposition)。厚さ数ミクロンのコーティングで、ブラックの時計を作るのに使われます。ケース素材を参照。
日付早送り(Quickset date)
針をぐるぐる回さずに、日付だけを直接変えられるリューズのポジション。クイックチェンジとも。
歩度調整(Regulation)
進みや遅れができるだけ小さくなるよう、ムーブメントを調整すること。
ローズエンジン(Rose engine)
ギョーシェ模様を彫るのに使う、手回しの旋盤。
ローター(Rotor)
自動巻きの中にある半月形の錘。あなたの動きで回り、ゼンマイを巻き上げます。

S–T

サファイアクリスタル(Sapphire crystal)
人工サファイア。きわめて傷に強い風防です。
ねじ込み式リューズ(Screw-down crown)
ケースのパイプにねじ込んで、防水性を高めるリューズ。
スケルトン(Skeleton)
機構が見えるように肉抜きした文字盤やムーブメント。中央をくり抜いた針のスタイルも指します。
スモールセコンド(Small seconds)
中央ではなくサブダイヤルに置かれた秒針。たいてい6時または9時位置にあります。
サンバースト(Sunburst)
中心から外側へ筋目を入れ、光が放射状に広がる文字盤仕上げ。サンレイとも。
スイープ運針(Sweep)
センターセコンドの秒針の動き。振動数が高いほど、滑らかな運針になります。
シリンジ針(Syringe hands)
注射器のような形の針。ヴィンテージの懐中時計やパイロットウォッチによく見られます。
タンクケース(Tank case)
1917年にさかのぼる、角型のケーススタイル。
トノー(Tonneau)
側面が外へふくらんだ、樽型のケース。
トゥールビヨン(Tourbillon)
脱進機を収めて回転するキャリッジ。姿勢差による誤差を平均化するために考案されました。

U–Z

逆回転防止ベゼル(Unidirectional bezel)
一方向にしか回らないベゼル。ダイバーズウォッチの標準装備です。
vph
vibrations per hour(毎時振動数)。18,000 vph = 毎秒5振動、21,600 = 6振動、28,800 = 8振動。
防水性能(Water resistance)
時計がどれだけの水圧に耐えられるかを示す等級。たいていメートルか気圧(bar)で表します。その深さまで潜れるという保証ではありません。
巻真(Winding stem)
リューズとムーブメントをつなぐ軸。
ワインディングマシーン(Winder)
着けていない自動巻きの時計を回転させ、動かし続けるモーターつきの箱。ウォッチワインダーとも。

時計を作りながら言葉を覚える

時計の語彙を覚えるいちばんの近道は、使ってみることです。Mecha Watchなら、iPhoneでケース、ベゼル、文字盤の仕上げ、インデックス、針、ムーブメント、コンプリケーションを選べます。選ぶたびに、短い「豆知識」がそのパーツを解説します。そのあと、あなたの時計はムーブメント本来の振動数で時を刻み、あなたはそれをひと刻みずつ巻き上げます。名前を英語で早口に言ってみてください。Mecha Watch。それはmake a watch(時計を作ろう)という誘いです。

よくある質問

時計のvphとは何ですか?

vibrations per hour(毎時振動数)の略で、テンプが1時間に何回刻むかを表します。28,800 vphは、毎秒8振動という意味です。

時計の「石」とは何ですか?

可動部品の軸受けとして使われる小さな人工ルビーで、摩擦と摩耗を減らします。一般的な機械式ムーブメントには、17〜25個使われています。

時計のコンプリケーションとは何ですか?

時・分・秒を示す以外の機能のすべてです。たとえば日付、ムーンフェイズ、GMT針、クロノグラフなど。