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時計のケース形状を解説

腕時計のケース形状ガイド。ラウンドのドレス、ダイバーズ、フィールド、パイロットから、トノー、クッション、オクタゴン、タンク、オーバル、ジュエリーまで、歴史とサイズ選びのコツを紹介。

このガイドの内容
  1. ラウンドケース:ひとつの形に、4つの個性
  2. トノー:樽型
  3. クッション:角に丸みのある四角
  4. オクタゴン:8つの平らな面
  5. タンク:角型
  6. オーバル
  7. プチケースとジュエリーケース
  8. ケースサイズの選び方
  9. ケース形状と、ほかのパーツの合わせ方
  10. Mecha Watchですべてのケース形状を試す
  11. よくある質問

ケースは、あなたの手首で誰もが最初に目にするものです。文字盤の細部に気づくより先に、その形が全体の印象を決めてしまいます。ラウンドケースは、作り方しだいでフォーマルにも無骨にもなります。角型は、たちまち「ドレス」を語ります。樽型は、「わかっている人」を語ります。

時計を作るつもりなら、ケースから始めるのが正解です。文字盤、針、ストラップといったほかのすべては、ケースの中とまわりに収まらなければならないからです。

ラウンドトノークッション オクタゴンタンクオーバル
定番の6つのケースの輪郭。内側の線は、文字盤が収まる位置を示しています。

ラウンドケース:ひとつの形に、4つの個性

ラウンドは、群を抜いて一般的なケース形状です。加工しやすく、防水にしやすく、どんな文字盤にも合います。けれども、ラウンドケースは、時計の用途によってまったく違う作りになります。次の4つが、時計デザインの屋台骨です。

ドレス

薄く、磨き上げられ、控えめ。ドレスウォッチは、シャツの袖口にすっと収まる薄さが身上で、ローターの厚みを省くために手巻きのものが多くあります。サイズは36〜40mmが中心で、ラグは短く、ベゼルは細め。すっきりした文字盤、細身の針、レザーストラップを合わせましょう。

ダイバー

がっしりしていて、回転式のダイバーズベゼル、大きな夜光インデックス、ねじ込み式リューズを備えます。ベゼルは一方向にしか回りません。ぶつけてずれても、残りの空気が実際より少なく見えるだけで、多く見えることはありません。ダイバーズはたいてい40〜44mmで、ラバーストラップかスチールブレスレットがよく似合います。

フィールド

飾り気がなく、タフで、読みやすい。フィールドウォッチの起源は第一次世界大戦の塹壕で、兵士たちが懐中時計の代わりに、時計をストラップで手首に着けたのが始まりです。細いベゼル、マットなケース、コントラストの強い文字盤が特徴で、サイズはたいてい36〜40mmです。

パイロット

大きく、力強く、40〜46mmのものが多くなります。厚いフライトグローブをしたまま巻けるよう、特大の「オニオン」リューズを備えます。パイロットウォッチは、大きなアラビア数字と、文字盤の向きをひと目でつかめる12時位置の三角マークを好みます。

トノー:樽型

トノー(tonneau)は、フランス語で「樽」のこと。日本では「樽型」とも呼ばれます。ワイン樽のようにケースの側面が外へふくらみ、上下の端は平らに近くなっています。トノーケースは20世紀初頭に流行し、いまではアヴァンギャルドな現代時計の象徴にもなりました。そこでは、スポーティーなオープンワークの文字盤と組み合わされることがよくあります。

トノーは、同じ幅のラウンドウォッチより縦に長く感じられます。サイズを選ぶ前に、ラグ・トゥ・ラグの長さを確認しましょう。いちばん映えるのは、シンプルな文字盤です。語るべきことは、すでにケースが語っています。

クッション:角に丸みのある四角

クッションケースは、角を大きく丸めた四角形。名前のとおり、クッションのような形です。1930年代に流行し、ヴィンテージに着想を得たダイバーズを通じて復活しました。ラウンドケースより防水が難しい形です。パッキンが、より複雑な線に沿わなければならないからです。

ほとんどのクッションケースは、丸い文字盤を収めています。丸みのある四角い輪郭と、その中の円が、心地よいコントラストを生みます。角が手首を埋めるので、数字が示すよりも大きく感じられます。

オクタゴン:8つの平らな面

八角形のケース、あるいはラウンドケースに載せた八角形のベゼルは、建築的でモダンに映ります。上手に作るのが難しい形でもあります。八角形のケースは磨きが難しく、平らな面のひとつひとつを、くっきりした稜線で隣の面とぴったり合わせなければなりません。それがうまくいくと、ヘアラインとポリッシュを交互に配した面が、ラウンドケースにはできないやり方で光を捉えます。

オクタゴンケースは、たいていケース一体型のブレスレットと組み合わされ、サイズは36〜40mmです。

タンク:角型

1917年に生まれた最初の角型時計「タンク」は、上から見た戦車(tank)の輪郭に着想を得ました。両脇の縦の枠がキャタピラ、その間の文字盤が車体です。以来、角型の時計は、ドレスウォッチのエレガンスそのものであり続けています。

タンクケースは、直径ではなく縦の長さで測ります。縦28〜34mmほどなら、たいていの手首に合います。ローマ数字とブルースチールのソード針が王道の組み合わせで、レザーストラップを合わせれば完成です。

オーバル

オーバルケースには、楕円形の文字盤と専用形状の風防が必要です。ラウンドより数が少ないのは、そのためです。タンクよりも柔らかく、宝飾品に近い雰囲気で、30〜36mmなら細い手首にも心地よく収まります。似合うのはシンプルな文字盤。インデックスを少しと、細身の針。そうすれば、輪郭が主役であり続けます。

プチケースとジュエリーケース

初期の腕時計は女性の装身具とされ、男性は1900年代初頭まで懐中時計を持ち歩いていました。その伝統は、繊細なラグを持つプチケース(28〜34mm)と、ジェムセットベゼルを備えたジュエリーケースに受け継がれています。ジェムセットベゼルの石は、ひとつずつ手作業で石座に収められ、ケースから起こした小さな金属の粒で留められます。

ケースサイズの選び方

注目を集めるのはケース径ばかりですが、それがすべてではありません。次の3つの数字を、合わせて見てください。

寸法わかること目安
直径(ラウンド以外は縦の長さ)正面から見たときの時計の大きさ男性の手首の多くには36〜40mm、女性の手首の多くには28〜36mmがちょうどいい
ラグ・トゥ・ラグ時計が手首の上でどれだけの長さを占めるか手首の平らな面より短いこと。はみ出さないこと
厚さ袖口に収まるかどうか10mm未満ならドレッシー。ダイバーズは12〜14mmが多い

簡単なテストがあります。細長い紙で手首を測ってみてください。手首周りが15〜16.5cmなら、たいてい34〜39mmが合います。16.5〜18cmなら38〜42mm。それより太い手首なら、42mm以上も着けこなせます。形も大事です。トノーやクッションは、同じ数字のラウンドより大きく感じられ、タンクやオーバルは小さく感じられます。

ケース形状と、ほかのパーツの合わせ方

  • ドレスとタンクのケース:細いベゼル、ローマ数字かバトンのインデックス、ドーフィン、ブレゲ、ソードの針、レザーストラップ。
  • ダイバーのケース:ダイバーズベゼル、夜光をたっぷり載せたドットかバトン、ベンツ針かプロンジュール針、ラバーか3連ブレスレット。
  • パイロットとフィールドのケース:アラビア数字、シリンジ針かペンシル針、レザーかファブリックのストラップ。
  • クッションとオクタゴンのケース:ギョーシェやリネンのような質感のある文字盤、ブレスレット。

スチール、チタン、ゴールド、PVDといった素材については、時計のケース素材をご覧ください。

Mecha Watchですべてのケース形状を試す

Mecha Watchのビルダーのケースステップ
Mecha Watchでケースの形状、サイズ、素材を選ぶ。

どの形が自分に合うかを知るいちばん簡単な方法は、組み上がった姿を見ることです。Mecha Watchでは、ドレス、ダイバー、フィールド、パイロット、トノー、クッション、オクタゴン、プチ、オーバル、タンク、ジュエリーの11種類のケースから選べます。それぞれに固有のサイズ範囲があり、釣り合ったサイズのリューズと、出発点としてふさわしいベゼルがついてきます。パイロットには大きなオニオンリューズ、ダイバーにはダイバーズベゼル、ジュエリーケースにはジェムセットベゼルです。

形を選び、文字盤と針で装い、組み上がって時を刻みはじめる様子を見届けましょう。どのケースにも、その由来を伝える短い「豆知識」がついています。「この形、好きだな」から完成したデザインへ、いちばん早くたどり着ける方法です。Mecha Watch。英語で声に出せば、make a watch(時計を作る)です。

よくある質問

いちばん一般的な時計のケース形状は?

ラウンドです。加工も防水もいちばんしやすく、どんな文字盤にも合います。ドレス、ダイバーズ、フィールド、パイロットの時計がほとんどラウンドなのは、そのためです。

トノー型の時計とは何ですか?

樽型のケースを持つ時計です。側面がワイン樽のように外へふくらみ、上下は平らに近くなっています。「トノー(tonneau)」は、フランス語で樽を意味します。

クッションケースの時計とは何ですか?

クッションケースは、クッションのように角を柔らかく丸めた四角形です。1930年代に流行し、現在はヴィンテージ調のダイバーズによく見られます。

なぜ「タンク」と呼ばれるのですか?

1917年に生まれた最初のタンクウォッチは、上から見た戦車(tank)の輪郭に着想を得ました。両脇の枠が、キャタピラを思わせます。

ケースサイズは何mmを選べばいいですか?

男性の手首の多くには36〜40mm、女性の手首の多くには28〜36mmが快適な範囲です。いちばん大事なのは、ラグ・トゥ・ラグの長さの確認です。時計が手首の上面からはみ出してはいけません。

角型の時計は、丸型より大きく見えますか?

たいていは、そうです。クッションやトノーは、同じ幅のラウンドケースより手首を広く覆います。一方で、タンクやオーバルは小さめに感じられる傾向があります。